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霧島酒造・焼酎の里 霧島ファクトリーガーデン

(きりしま しゅぞう)

霧島酒造株式会社は、宮崎県都城市に本社及び工場を置く日本の酒造業者です。「品質をときめきに」を企業スローガンに掲げ、主に本格焼酎の製造および販売を行っています。代表的な製品である「黒霧島」「白霧島」などの本格芋焼酎で広く知られています。また、クラフトビールの製造や販売、レストラン事業も手がけています。社名および銘柄の「霧島」は、宮崎県と鹿児島県の県境にそびえる霧島山に由来しています。

焼酎の里 霧島ファクトリーガーデン

霧島酒造が運営する「霧島ファクトリーガーデン」は、訪れる人々に焼酎の歴史や製造工程を体感できる、充実した施設です。

焼酎の里 霧島ファクトリーガーデンの概要

霧島ファクトリーガーデンは、霧島酒造の歴史や焼酎づくりの過程を学び、五感で楽しむことができる複合施設です。ここでは焼酎だけでなく、クラフトビールや地元の特産品、手作りパンなども提供しており、訪れる人々にさまざまな体験を提供しています。

施設内のさまざまな魅力

KIRISHIMA WALK FACTORY

霧島ファクトリーガーデンのメインアトラクションである「KIRISHIMA WALK FACTORY」では、霧島焼酎の製造過程を体験しながら見学できます。焼酎の工程である洗米・蒸米から、一次発酵、芋蒸し、二次発酵、蒸留の工程まで、詳しく説明がされ、見学者は焼酎造りの深い知識を得ることができます。見学には事前予約が必要で、ガイドの説明を受けながら、約45分間の見学ツアーを楽しむことができます。

さらに、霧島酒造の自然環境や発酵技術を詳しく紹介する「霧の蔵ミュージアム」では、霧島の大地と焼酎の関係を学ぶことができ、焼酎づくりにおけるさつまいもや水の役割も紹介されています。

霧の蔵ブルワリーとベーカリー

ファクトリーガーデン内にある「霧の蔵ブルワリー」では、霧島裂罅水を使用したクラフトビールを製造しています。日向夏の発泡酒やペールエール、ピルスナー、アンバー、スタウトなど、多様なビールを楽しむことができ、レストランでは地元の食材を使った料理も提供されます。特に夏季にはビアガーデンも開かれ、KIRISHIMA BEERが飲み放題で提供されることもあります。

さらに、霧島酒造の発酵技術を活かした「霧の蔵ベーカリー」では、焼酎モロミ(焼酎の醸造過程で生まれる副産物)を使ったパンが提供されています。焼酎モロミは風味豊かで、焼きたてのパンは特に人気です。ベーカリーにはイートインスペースもあり、カフェ利用も可能で、ドライバーや子ども連れの方も安心して楽しめます。

見どころ満載の霧島ファクトリーガーデン

工場見学で焼酎の製造過程を体感

霧島酒造の工場では、焼酎の製造過程を見学することができます。施設内の「KIRISHIMA WALK FACTORY」では、焼酎づくりの工程をガイド付きで見学でき、さらに映像や音、パネル展示などを通じて、五感で焼酎の歴史や製造過程を学ぶことができます。巨大なさつまいもや蒸留酒のルーツを再現した展示は、視覚的にも楽しめる工夫がされています。また、焼酎の香りを楽しむコーナーでは、香りを嗅ぎ分けて銘柄を当てる体験ができ、焼酎通を目指す方には特におすすめです。

霧島裂罅水の無料提供

霧島酒造が昭和30年に掘り当てた天然水「霧島裂罅水」は、ファクトリーガーデン内で無料で提供されています。この水は、焼酎の仕込みに欠かせないだけでなく、多くの人々が訪れる理由の一つです。自然の恵みを感じながら、純粋な地下水を楽しむことができます。

霧の蔵ブルワリーでのお土産選び

施設内のショップでは、霧島酒造の焼酎やクラフトビール、さらには霧島ファクトリーガーデン限定の商品も販売されています。黒霧島を使ったチョコレートやカステラ、焼酎をモチーフにしたアイテムなど、ここでしか手に入らないお土産を購入することができます。また、霧島ビールのテイクアウトも可能で、家族や友人へのプレゼントにもぴったりです。

歴史と自然に触れるスポット

霧島焼酎神社

霧島ファクトリーガーデン内には「霧島焼酎神社」があります。創業者の江夏吉助が、霧島山系の自然の恵みに感謝して1933年に設立したこの神社は、霧島酒造の創業の地に祀られていましたが、2014年にファクトリーガーデン内に遷座されました。霧島酒造の歴史や、焼酎づくりへの思いが込められた神聖な場所です。

四季折々の美しい庭園

広大な敷地内には、季節ごとに美しい花々が咲き誇る庭園が広がっています。KIRISHIMA BEERや霧の蔵ベーカリーのパンを片手に、のんびりと散策を楽しむことができるこの庭園は、訪れる人々に安らぎのひとときを提供してくれます。各所に設けられたくつろぎスポットで、四季の移ろいを感じながら、自然に囲まれたリラックスタイムを過ごせるのが魅力です。

歴史

霧島酒造の歴史は1916年(大正5年)、創業者の江夏吉助(えなつ きちすけ)が都城市で芋焼酎の製造を始めたことに始まります。1955年(昭和30年)、工場近くで掘り当てた地下水を「霧島裂罅水(きりしまれっかすい)」と名付け、それ以降、この水を焼酎の仕込み水や割水など製造の全工程で使用しています。

本格焼酎の誕生

「本格焼酎」の呼称は、2代目社長・江夏順吉(えなつ じゅんきち)が1957年(昭和32年)に熊本県で開催された「九州旧式焼酎協議会」で提案したものです。その後、1962年(昭和37年)の大蔵省令により法的に正式な名称として認められました。江夏順吉は地方の酒造会社の跡継ぎとして、東京帝国大学(現・東京大学)工学部で応用化学を学んだ学者肌の人物であり、自ら焼酎のブレンディングや蒸留機の改良などに取り組みました。

革新と成長

順吉の死後、跡を継いだ3代目社長の江夏順行の下では、順吉時代の高品質路線を継承しつつ、芋焼酎の臭みを抑えた新商品「黒霧島」の開発と営業拡販に注力しました。これにより、2000年代の焼酎ブーム期にも着実に事業を拡大し、2012年には売上高が500億円を超え、本格焼酎メーカーとして日本一の売上高を達成しました。

持株会社制への移行とバイオガス発電事業

2014年9月1日、焼酎粕を発酵させることでバイオガス発電事業を開始しました。また、2015年(平成27年)4月1日には「霧島ホールディングス株式会社」(きりしまホールディングス)を設立し、持株会社制に移行しました。これにより、霧島酒造の管理業務は霧島HDが行うようになりました。

沿革

主要商品

本格芋焼酎 白霧島

南九州産のサツマイモ黄金千貫(コガネセンガン)と霧島裂罅水を使用した、なめらかで伸びのある味わいが特徴です。白麹を使用し、旧名称は「霧島」でしたが、黒霧島発売に伴い「白霧島」と名称が変更されました。キャッチコピーは「どしっと ほわんと」です。

黒霧島

黒麹を使用し、宮崎県産の黄金千貫で仕込んだマイルドでキレのある味わいが特徴です。テレビ番組『ナイナイサイズ』での紹介を契機に全国的な知名度を上げ、売上向上に貢献しました。キャッチコピーは「トロッと キリッと」です。

赤霧島

紫芋の品種である紫優(ムラサキマサリ)を使用しており、原料由来の香りや澄んだ甘みが特徴です。販売開始当初は入手困難でしたが、現在では比較的容易に手に入れることができます。キャッチコピーは「みやびに するっと」です。

茜霧島

オレンジ色のさつまいも「玉茜(タマアカネ)」を使用した本格芋焼酎で、桃やオレンジのような香りとフルーティーな甘みが特徴です。キャッチコピーは「キラッとはなやか」です。

生産・営業拠点

霧島酒造は、宮崎県都城市にある本社工場や志比田工場などで製造を行っています。また、東京、大阪、福岡、宮崎に支店を構え、全国展開しています。

霧島酒造の挑戦と未来

2014年のバイオガス発電事業の開始や持株会社制への移行など、革新を続ける霧島酒造。創業100周年を機に、さらなる成長を目指し、地域社会との共生を大切にしながら新たな挑戦を続けています。

まとめ

霧島酒造が運営する霧島ファクトリーガーデンは、焼酎に関する知識を深めることができるだけでなく、食事やショッピング、自然散策など、多彩な楽しみ方ができるスポットです。焼酎製造の工程やその歴史に触れながら、五感で楽しむ体験を通じて、焼酎がもっと身近に感じられるでしょう。家族連れやカップル、ビール好きの方まで、訪れる全ての人が満喫できる魅力的な場所です。ぜひ宮崎に訪れた際には、この素晴らしい施設で焼酎の世界を堪能してみてください。

Information

名称
霧島酒造・焼酎の里 霧島ファクトリーガーデン
(きりしま しゅぞう)

宮崎市・都城・日南

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