照葉大吊橋は、宮崎県東諸県郡綾町にある本庄川(綾南川、大淀川の支流)に架かる吊橋です。この吊橋は、土木学会デザイン賞 2004 優秀賞を受賞しており、綾町を訪れる観光客にとっても重要な観光名所の一つです。
1984年3月28日、照葉樹林一帯が九州中央山地国定公園に指定された後、照葉大吊橋は建設されました。この吊橋は、長さ250.0m、高さ142.0mの鋼製吊橋であり、歩行者専用の橋です。その高さ142.0mは、当時、歩行者専用の吊橋としては日本で2番目の高さを誇り、吊橋の周囲には「歩く吊橋 世界一」や「照葉樹林の自然 日本一」と彫られた石碑があります。
この吊橋から見える絶景は素晴らしく、絵はがきや観光パンフレットでも紹介されることが多いです。また、周辺には豊かな自然が広がり、四季折々の風景を楽しむことができます。
2010年10月、吊橋の老朽化により、総事業費約3億2000万円をかけて架け替え工事が行われました。完成予定は2011年3月でしたが、主塔の造り替えも行われたため、工期が延び、同年10月5日に再び開通しました。新しい吊橋では、一部の足場が網状になっており、下を見渡せるようになったため、スリル感が増しています。
照葉大吊橋が架かる本庄川は、宮崎県小林市、東諸県郡綾町・国富町、宮崎市を流れる大淀川の一級河川です。上流域には豊かな自然が広がり、特に照葉樹林帯は九州中央山地国定公園の一部として保護されています。この地域には、名水百選や水源の森百選などに選定されている「綾の照葉樹林」や、21世紀に残したい日本の自然百選にも選ばれている「綾渓谷の照葉樹林」があり、訪れる人々に豊かな自然体験を提供しています。
照葉大吊橋の周辺には、綾北川を挟む広大な照葉樹林が広がり、その自然の豊かさが守られています。これらの樹林は水源林としても重要な役割を果たし、無数の湧水が点在しており、本庄川や綾北川へと流れ込んでいます。これらの湧水群は、1985年に「綾川湧水群」として名水百選にも選定されています。
かつて、本庄川は水運が行われていた川であり、大正期(1920年代)までは帆掛け舟が綾町まで遡上可能でした。物資はこの川を利用して運ばれ、綾町や国富町の勘場(船着場)を経由して、大淀川河口の赤江港から千石船に積み替えられ、上方へと向かっていきました。特に天領であった国富町本庄は、日向国内の米価を左右するほどの影響力を持っていました。
照葉大吊橋はそのスリルと美しい自然環境の中で、観光客にとっても魅力的な場所です。橋を渡りながら広がる絶景や、四季折々の風景を楽しむことができ、また、周辺の自然散策や、照葉樹林の中での森林浴など、リラックスした時間を過ごすことができます。
照葉大吊橋の主要設計は以下の通りです:
最寄り駅はJR日豊本線南宮崎駅で、宮崎交通バスの「宮交シティバスセンター」から綾待合所行きのバスに乗り、約1時間で終点に到着します。そこからタクシーで15分程度で照葉大吊橋に到達します。
車の場合、宮崎自動車道高原ICから国道268号線を経由して宮崎方面へ約1時間ほどの距離にあります。