都城歴史資料館は、宮崎県都城市都島町にある市立の歴史資料館です。1989年(平成元年)10月20日に開館し、都城の豊かな歴史や文化を紹介するための資料を保存・展示しています。
都城歴史資料館は、北郷氏(都城島津氏)の居城であった都之城址本丸跡に建設された城郭風の木造建築物です。林野庁のモデル木造施設建設事業の一環として建てられました。館内には、北郷氏に伝わる古文書や美術工芸品、遺跡出土品などが展示され、都城の歴史と文化を詳しく紹介しています。
この資料館は、木造2階建で、中2階があるため三層構造となっており、床面積は860平方メートルです。使用されている木材の96%が杉材、3%がヒノキ材、1%がその他の木材で、樹齢120年の大柱が使用されています。また、屋外には茶室の「静山亭」が配されています。
展示室では、都城全体の立体地形模型と古絵図を展示しており、訪れる人々に都城の全貌を視覚的に理解させる工夫が施されています。
関之尾滝を背景に、伝統的な熊襲踊りと甌穴(おうけつ)の実物大模型を展示しています。これにより、地域の文化と自然の繋がりを感じられる展示内容となっています。
都城島津氏に伝わる貴重な古文書や刀剣、甲冑、火縄銃などが展示され、訪れる人々に戦国時代から江戸時代にかけての島津氏の歴史を伝えています。
この展示では、発掘された石器や土器をはじめ、藩政時代の資料、明治維新や西南戦争の資料など、縄文時代から近現代までの都城の歴史を紹介しています。特に、古代から現代までの都城の発展の過程を学べる貴重な資料が揃っています。
太平洋戦争中に都城から飛び立った特攻隊員の遺品や模型飛行機、空襲記録などの戦争資料が展示されています。これにより、戦争の悲劇と平和の大切さを後世に伝える役割を果たしています。
祈願奉納面や石仏、石敢当など、地域の人々の信仰や祈りに関する資料も展示されています。これにより、都城の歴史と人々の暮らしに深く根付いた信仰の姿を学ぶことができます。
この他にも、郷土芸能資料や民具が展示されており、企画展示も定期的に行われています。訪れるたびに新しい発見がある資料館です。
都城歴史資料館には、旧竜泉寺の仁王像も展示されています。旧竜泉寺は都之城の北側に位置し、北郷氏の3代・久秀や10代・時久の嫡男相久の菩提寺として知られていましたが、現在は廃寺となっています。
都城歴史資料館へは、JR日豊本線の西都城駅から徒歩約20分でアクセスできます。また、近くにはバス停もあり、公共交通機関での訪問が便利です。
都城歴史資料館は、郷土に残る歴史・文化資料の保存、展示、活用を目的に設立されました。本館は、都城盆地を一望する中世城郭「都城」の城跡に建てられ、木造の美しい構造が特徴です。都城歴史資料館は、地元の文化財を大切にし、地域の歴史を広く伝えるための重要な役割を果たしています。