日南フェニックスロードは、宮崎市の中心街から青島付近を経て、堀切峠、日南市、国道220号と国道448号を通り、宮崎県最南端に位置する都井岬まで続く全長約85kmの海岸沿いの美しい道路です。この道は、宮崎県を代表する観光スポットが数多く点在する人気エリアであり、その美しい景色と観光名所が魅力です。特に堀切峠から日南市南郷町目井津までの約40kmは、1986年に「日本の道100選」に選定され、その美しさが認められています。
この道路は、単なる観光道路だけでなく、その名称が示す通り、フェニックス(カナリーヤシ)をはじめとする多くのヤシ科植物が沿道に植栽されており、南国情緒あふれる雰囲気を醸し出しています。また、かつては新婚旅行で人気を博し、多くの新婚カップルがこの道を通って鵜戸神宮へ参拝したことから、「ハネムーン街道」とも呼ばれていました。沿道の観光地はもちろん、道中の自然や植生も魅力的なスポットとなっています。
宮崎市街を出発してすぐ、青島が見えてきます。青島は海床が隆起し、貝殻の破片が堆積してできた独特の景観を持つ小島で、青島神社がその中央に鎮座しています。この神社は縁結びの神様として知られており、カップルや家族連れに人気のスポットです。青島周辺は自然と歴史が融合した美しい場所で、ぜひ立ち寄りたい場所の一つです。
青島を過ぎると、内陸部の緩やかな坂道を上り、突然視界が開けると堀切峠に到達します。ここからは日向灘の絶景が広がり、フェニックスの木々や波打つ海岸線が織りなす南国情緒が魅力です。特に「鬼の洗濯板」と呼ばれる波状岩が連なる景観は、まるで神秘的な自然の芸術作品のようで、ドライバーや観光客を魅了します。
堀切峠を過ぎた後には、道の駅フェニックスに立ち寄るのがおすすめです。ここでは展望台から宮崎県と鹿児島県にまたがる海岸線を一望でき、地球が丸いことを実感できる絶景を楽しむことができます。道の駅内では、地元の新鮮な魚料理や名物のマンゴーソフトクリームなどを味わうこともでき、ドライブの休憩に最適なスポットです。
さらに南下すると、日南海岸沿いにサンメッセ日南があります。ここには7体のモアイ像が建ち並び、訪れる人々に異国情緒を感じさせます。また、日向灘に面した断崖絶壁の洞窟内に建てられた鵜戸神宮も見逃せないスポットです。この神宮は、夫婦円満や安産の守護神として信仰されており、観光客にとっても人気の場所です。
日南フェニックスロードの最南端、ゴール地点に位置する都井岬は、野生の馬である御崎馬が生息する美しい場所です。特に、朝日や夕陽の中で馬たちが歩く姿は、息をのむほどの美しさです。灯台からは大隅半島方面の景色が一望でき、晴れた日には遠くまで見渡すことができるため、ドライブの最後に訪れるには最適なスポットです。
日南フェニックスロードは、その名の通りフェニックスの木々が沿道に立ち並び、南国ムードを演出しています。特に、宮崎市から日南市を経て都井岬に至るルートは、黒潮の影響を受け、年間を通じて温暖な気候に恵まれています。そのため、冬でも快適にドライブを楽しむことができ、多くのプロ野球チームがキャンプ地として利用していることでも知られています。また、沿道の景色だけでなく、数々の観光名所も点在しているため、ドライブと観光を兼ねた旅として最適です。
日南フェニックスロードは、宮崎県を代表する美しい海岸沿いのドライブコースであり、多くの観光名所や自然の絶景が楽しめる魅力的なルートです。青島や堀切峠、鵜戸神宮、サンメッセ日南など、各地に見どころが点在しており、訪れる人々に忘れられない思い出を提供します。南国情緒あふれるこの道路は、年間を通じて楽しめる絶好のドライブコースであり、宮崎県を訪れた際にはぜひ一度走ってみる価値のあるルートです。