宮崎県 » 宮崎市・都城・日南

矢研の滝

(やとぎ たき)

矢研の滝は、宮崎県児湯郡都農町に位置する美しい滝で、日本の滝百選にも選ばれている名勝です。尾鈴山の東側を流れる名貫川(なぬきがわ)の上流、矢研谷にかかるこの滝は、自然豊かな尾鈴県立自然公園内にあります。

概要

矢研の滝は、尾鈴山から流れ出た水が73メートルもの高さから岩壁を数条に分かれて流れ落ちる滝です。周囲には豊かな自然が広がり、滝の下には永年にわたる浸食によって崩れた岩がゴロゴロと転がっています。

この滝の名前は、古代の伝説に基づいており、神武天皇が東征の際にこの滝の水で矢を研いだことから「矢研の滝」と名付けられたとされています。まさに歴史と自然が融合した場所として、多くの観光客が訪れる名所です。

尾鈴山瀑布群の一部としての矢研の滝

矢研の滝は、尾鈴山瀑布群の一部としても知られており、1944年に国の名勝に指定されました。尾鈴山瀑布群は30以上の滝で構成されており、その中でも特に矢研の滝は「尾鈴山瀑布群の白眉」として名高い存在です。

自然環境と観光

尾鈴山とその自然環境

矢研の滝が位置する尾鈴山は、標高1405.2メートルの山で、九州山地の東部に位置しています。この山は豊かな原生林と美しい瀑布群に囲まれ、多くの固有種が生息しています。尾鈴山の自然は非常に豊かで、多様な植生が見られ、低地ではイチイガシ、中腹ではウラジロガシ、高地ではブナの林が広がります。また、シャクナゲの群落やキバナノツキヌキホトトギスなど、ここでしか見られない植物も多くあります。

これらの自然環境は、尾鈴県立自然公園に指定されており、自然保護の対象となっています。また、観光地としても非常に人気があり、登山やハイキング、自然観察を楽しむ多くの人々が訪れます。特に、矢研の滝に至る遊歩道は整備が行き届いており、初心者でも気軽に訪れることができるコースです。

観光の楽しみ方

矢研の滝を訪れるには、都農町からのアクセスが便利です。尾鈴県立自然公園の入り口にある駐車場から、整備された遊歩道を進むことで、約30分ほどで滝にたどり着くことができます。道中は豊かな森林の中を進み、さまざまな植物や野生動物に出会えることも魅力の一つです。

滝の周辺には休憩所も設けられており、滝の音を聞きながらゆっくりと過ごすことができます。滝の美しさを間近で感じることができ、写真撮影にも最適なスポットです。季節ごとに異なる表情を見せる滝の姿は、何度訪れても新鮮な驚きがあります。

矢研の滝にまつわる伝説

矢研の滝は、ただ美しいだけでなく、歴史的な伝説も秘めています。古代、日本の初代天皇である神武天皇が東征の際にこの地を訪れ、滝の水で矢を研いだという逸話が残されています。この逸話により、滝は「矢研の滝」と名付けられ、後世にまでその名が伝えられました。滝にまつわるこうした歴史的背景は、観光客にとっても大きな魅力となっています。

尾鈴山瀑布群の魅力

尾鈴山瀑布群には、矢研の滝の他にも、次郎四郎滝や甘茶谷、欅谷など多くの滝が存在します。これらの滝はそれぞれが個性的な美しさを持っており、名勝としても高い評価を受けています。

特に、矢研の滝はその圧倒的なスケールと迫力ある水の流れが特徴で、訪れる人々に強い印象を与えます。滝の音が周囲に響き渡り、その爽快感は日常の喧騒を忘れさせてくれるでしょう。これらの滝をめぐる散策路も整備されており、自然の中でリフレッシュできる絶好の場所です。

まとめ

矢研の滝は、自然の美しさと歴史的な伝説が融合した場所です。日本の滝百選にも選ばれるこの滝は、尾鈴山瀑布群の中でも特に人気のスポットで、訪れる人々に感動を与えています。自然豊かな環境の中で、滝の美しさを堪能しながら、歴史に思いを馳せるひとときは、心を癒してくれるでしょう。

ぜひ、次の旅行の候補地として、矢研の滝を訪れてみてはいかがでしょうか。

Information

名称
矢研の滝
(やとぎ たき)

宮崎市・都城・日南

宮崎県