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那須家住宅

(なすけ じゅうたく)

那須家住宅は、宮崎県東臼杵郡椎葉村にある歴史的建造物であり、国の重要文化財に指定されています。また、鶴富屋敷としても知られています。この住宅は、江戸時代後期の文政年間(1818年 - 1829年)に建築されたと推定されており、その建築様式や歴史的背景から多くの見どころがあります。

建築と構造

建築の概要

那須家住宅は、家屋前面に縁を設け、仏間、客間、寝間、居間を横一列に配した横長の建物で、並列型民家と呼ばれるこの地方の代表的な形式です。桁行は25.09m、梁間は8.64mで、寄棟造の屋根は、もとは茅葺きだったものの、昭和38年(1963年)に表面を銅板で覆われました。この建物は、昭和31年(1956年)6月28日に国の重要文化財に指定されています。

部屋の配置と機能

那須家住宅は「コザ」、「デイ」、「ツボネ」、「ウチネ」の4つの部屋と、「ドジ」と呼ばれる土間で構成されています。これらの部屋はそれぞれ特定の役割を持っており、以下のように機能しています。

コザ

神仏を祭る神聖な場所であり、かつては女性の立ち入りが禁止されていました。

デイ

最も広い部屋で、客間として使用され、冠婚葬祭などの行事も行われました。

ツボネ

寝室として使用され、夫婦の部屋であり、お産にも使用されました。

ウチネ

茶の間として日常生活に利用されていました。

ドジ

土間の部分で、雑穀をつく空臼や大小の石造りのかまどがあり、日常の家事に利用されていました。

歴史と文化

源氏と平家の物語

那須家住宅は、源氏の将軍・那須大八郎と平清盛の末裔である鶴富姫が源平の垣根を越えて結ばれた場所とされています。この二人の愛の物語は、椎葉平家まつり(毎年11月開催)の舞台にもなっています。また、源氏の兵の多くがこの地にとどまったことから、椎葉村の人口の約20%は那須姓といわれています。

観光情報と見どころ

施設情報

那須家住宅は観光客にも開放されており、次のような情報があります。

食事と宿泊

事前に予約をすることで、屋敷内で郷土料理を楽しむことができます。提供される料理は、季節の山菜、川魚、猪鹿などを用いた郷土料理であり、手打ちそばやゴマ豆腐なども人気です。また、隣接する館に宿泊することも可能です。

訪れる価値

那須家住宅は、歴史的建造物としての価値のみならず、地域の文化や歴史に触れられる場所です。並列型民家の特徴的な構造や、源氏と平家の悲恋の物語が息づくこの地を訪れることで、過去の人々の暮らしや歴史の深みを感じることができるでしょう。

Information

名称
那須家住宅
(なすけ じゅうたく)

高千穂・延岡・日向

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