願いが叶うクルスの海は、宮崎県日向市細島にある名勝であり、観光名所として知られています。この地域は昔からその特徴的な海岸の景観により「十文字」と呼ばれていました。しかし、観光資源の開発に伴い、細島で民宿を経営していた原田一郎がポルトガル語で「十字」を意味する「クルス」に「海」を加え、「クルスの海」という名称を提案しました。その後、海岸と岩礁が「叶」という漢字に見えることから、正式に「願いが叶うクルスの海」という名称が制定されました。
願いが叶うクルスの海は、日豊海岸国定公園内の日向岬に属し、約1,500万年前の九州東部で起こった大規模な火山活動によって形成された柱状節理の地形が特徴です。この柱状節理は、波浪による侵食で削り取られ、東西に200メートル、南北に220メートルにわたって裂けた岩場と運河のように見える海が十字に見えることで有名です。また、この地点には「願いが叶うクルスの鐘」が日向市によって設置され、訪れる人々に幸運をもたらすスポットとして親しまれています。
この海は、日向岬のもう一つの主要な観光スポットである馬ヶ背と並び、日向市によって積極的に広報されています。特に近年は、ドライブスポットとして人気が高まり、HondaやSUBARUなどの国内自動車メーカーのCMや、Audiなどの海外メーカーのプロモーションのロケ地としても採用されています。そのため、メディアでの露出が増え、国内外から多くの観光客が訪れる場所となっています。
展望台からは「叶」という縁起の良い漢字の風景を見ることができ、カップルに人気のデートスポットや結婚式の前撮りの場所としても知られています。2004年(平成16年)3月には、日向商工会議所青年部が主催する「願いが叶うクルスの海チャペルウェディング」が開催され、同日には敷地内に設置された「願いが叶うクルスの鐘」の除幕式も行われました。
2024年(令和6年)8月には、以前この地で日向坂46四期生のお披露目動画が撮影されたことが話題となり、さらに同年9月には同グループが宮崎市で開催した音楽イベント「ひなたフェス2024」を記念して、願いが叶うクルスの海展望台に向かう長さ約460mのS字カーブの坂道が「日向坂」と命名されました。
願いが叶うクルスの海は、様々な作品の舞台としても取り上げられています。例えば、三浦浩子の『クォーター(漫画)』や、三浦浩子原作の『願いが叶うクルスの海(ドラマ)』などがあります。また、親子デュオTAIKI+1による『願いが叶うクルスの海(テーマソング)』や、五十川ゆきの『十字架(クルス)の海(演歌)』などの音楽作品も制作されています。
願いが叶うクルスの海へのアクセスは、以下の通りです。