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西の正倉院

(にし しょうそういん)

西の正倉院は、宮崎県東臼杵郡美郷町にある博物館で、奈良の正倉院を忠実に再現した建築物です。この施設は、奈良時代の文化遺産を現代に伝える重要な拠点として、地域の歴史と文化の魅力を伝える役割を担っています。

施設の概要

西の正倉院は、正倉院の南倉に収蔵されている銅鏡「唐花六花鏡」と同じ種類の銅鏡が美郷町に保管されていることを契機に建設されました。正倉院は、奈良時代の皇室の宝物を収蔵した倉庫として有名で、その建物自体も貴重な文化財です。西の正倉院は、門外不出とされていた正倉院の原図を基に、樹齢400〜500年の木曽天然檜を使用して、細部に至るまで忠実に再現されています。

正倉院内部の再現

奈良の正倉院と同様、西の正倉院では内部の見学も可能です。奈良時代の工法や設計思想を現代に伝えるこの建物は、訪れる人々に歴史的な建築の魅力を提供しています。内部には、当時の工芸品や文化財の展示があり、百済王伝説に関連した祭り「師走祭り」の紹介も行われています。

再建の背景と目的

西の正倉院は、単なる建物の再現にとどまらず、歴史的な遺産の継承と普及を目的としています。建設には、宮内庁が所蔵する正倉院の図面が使用され、細部まで忠実に再現することで、正倉院の文化的価値を次世代に伝える試みとなりました。1996年に完成したこの施設は、文化的な意義を持つ場所として、地域住民や観光客に広く愛されています。

平成9年度手づくり郷土賞受賞

西の正倉院は、その独創的な再建と地域文化の発信拠点としての役割が評価され、平成9年度に手づくり郷土賞を受賞しました。この賞は、地域の文化や伝統を守り、未来に伝えるための優れた取り組みに贈られるもので、西の正倉院が地域に与える影響の大きさを示しています。

展示とイベント

西の正倉院では、奈良時代の工芸品や文化財の展示が行われており、特に銅鏡の展示は見どころの一つです。これらの展示物は、当時の工芸技術や美術の高度さを現代に伝えるものであり、訪れる人々に深い感動を与えています。

百済王伝説と師走祭り

西の正倉院では、百済王伝説との関係が指摘される「師走祭り」の紹介も行われています。師走祭りは、地域の伝統行事として長い歴史を持ち、地域住民にとって重要な文化的イベントです。この祭りは、古代の伝説や歴史に基づき、地域のアイデンティティを強く感じさせるものとなっています。

アクセス

西の正倉院へのアクセスは、JR日豊本線日向市駅からバスで約1時間10分です。都町バス停から宮崎交通バスの神門行きに乗車し、百済の館前バス停で下車するとすぐに到着します。施設周辺には美しい自然や歴史的な観光スポットも多く、訪れる人々にとって充実した観光体験が期待できます。

西の正倉院の未来

西の正倉院は、奈良時代の文化財を現代に伝えるだけでなく、地域文化の保存と普及に貢献する重要な役割を果たしています。今後もこの施設を通じて、多くの人々が古代日本の歴史と文化に触れる機会を提供し続けることが期待されています。

Information

名称
西の正倉院
(にし しょうそういん)

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