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大御神社

(おおみ じんじゃ)

大御神社は、宮崎県日向市日知屋に位置する神社です。地元では「日向のお伊勢さま」として広く親しまれています。境内には日本最大級のさざれ石群があり、社殿は国の登録有形文化財に指定されています。

概要

大御神社は、宮崎県日向市日知屋にあります。境内には歴史的な建造物や自然の奇観が多く、観光客や参拝者にとっても魅力的な場所となっています。

歴史

大御神社の創建時期は明確ではありませんが、日知屋庄の鎮護として古くから勧請されていたと考えられています。元禄のころまで記録が残されていましたが、宝永地震による津波で流失したと伝わっています。『日向地誌』によると、神社は元々「脇浜大神宮」と称されていましたが、1879年(明治12年)に「大御神社」に改名されました。「脇の浜」は、現在の「伊勢ケ浜」のことを指し、これは当社が「日向のお伊勢さま」と呼ばれていることに由来しています。伊能忠敬の測量日誌(1810年)にも「脇の浜」という地名が記されています。

日知屋城との関係

大御神社の境内に隣接する日知屋城跡は、現在「伊勢ヶ浜公園」となっています。かつての城の脇にあった浜が「脇の浜」と呼ばれていたため、この地は日知屋城とも深い関係があります。

祭神

大御神社の祭神は天照皇大御神です。このため、地元では「日向のお伊勢さま」として親しまれています。

境内

社殿

本殿: 1936年(昭和11年)に建立された木造平屋建の神明造りで、銅板葺の屋根を持ちます。国の登録有形文化財に指定されています。

幣殿・拝殿: 1936年(昭和11年)建立の木造平屋建で、銅板葺の屋根を持ちます。拝殿は本殿と平行に配置され、幣殿は拝殿に直交する形で建てられています。これらの建物も国の登録有形文化財に指定されています。

さざれ石群

2003年(平成15年)の境内地拡張時に発見されたさざれ石群は、国内最大規模とされています。特に注目されるのは、周囲30m、高さ4mの巨石「神座(かみくら)」で、瓊瓊杵尊がこの岩に立って大海原を眺望したという伝承があります。

龍神の霊(たま)

神座の前にはすり鉢状の水窪があり、その壁面には渦巻状の線が刻まれています。底には長径1m、短径0.7mの卵型のさざれ石があり、約5000年前の古代遺跡とされています。渦巻状の壁面は龍を、卵型のさざれ石は龍の卵を表しており、当時の龍神信仰の跡と考えられています。

柱状節理

本殿の後方の海岸付近には広範に柱状節理が見られ、その景観も見所の一つです。

境内社 - 鵜戸神社

境内には伊勢ヶ浜にある海蝕洞に鎮座する鵜戸神社もあります。詳細な由緒は明らかではありませんが、古くから「鵜戸さま」として知られています。洞窟の開口部は「昇り龍」のような形状をしており、龍神信仰の痕跡とされています。

祭神

鵜戸神社への参道には日知屋城跡の西曲輪があり、参道を進むと巨大な海蝕洞内に鳥居と鵜戸神社の祠が見られます。洞窟内から開口部を見ると昇り龍のように見えることから、龍神信仰と関連していると考えられています。

ラグビー日本代表の必勝祈願

大御神社はラグビー日本代表の必勝祈願の場としても知られています。ラグビーワールドカップに向けた宮崎での合宿中に参拝した後、歴史的快挙を成し遂げたことから、縁起の良い神社として紹介されることがあります。

2015年のラグビーワールドカップ

ラグビーワールドカップ2015前の宮崎合宿中、日本代表チームは大御神社で必勝祈願を行いました。この大会では、強豪の南アフリカ代表に歴史的な勝利を収めています。

2019年のラグビーワールドカップ

ラグビーワールドカップ2019前の宮崎合宿でも、選手たちは大御神社で必勝祈願を行い、さざれ石の前で「君が代」を歌いました。この祈願は、当時の主将リーチマイケルの発案で、海外出身選手の多いチームにおいて「君が代」への理解を深め、チームの結束を強化する目的がありました。この合宿の後、日本代表は史上初めてワールドカップベスト8に進出しました。

祭事

大御神社では以下の祭事が行われます。

文化財

国の登録有形文化財: 大御神社の社殿は1999年(平成11年)10月28日に国の登録有形文化財に指定されました。登録対象には本殿、幣殿、拝殿があります。

Information

名称
大御神社
(おおみ じんじゃ)

高千穂・延岡・日向

宮崎県